読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

電車ではいつもドアの近くにもたれる
電車の中に入ってくる外の空気の匂いが好きだ。

冬、暖かい電車のなかに
冷たい外からの空気が乗ってくる。
舞い上がる 隣の女の人のメンソレータムの匂い
冬は確かにそこにいた。

そんなことを考えていた。

そろそろ電車を降りなくちゃ。
なのに、一向にドアが開かない。
山手線をもう何周もしていることに気づく。
それでもドアは開かない。
ドアの外を眺めたって、似たビルの中
私はここがどこだか分からなくなり、こわくなった。
会社に行かなきゃ、守りたいものがある、働かなきゃ。

きっと、何周も、何十周もしたところで山手線は止まった。
メリーゴーランドにずっと乗せられていたみたい
頭がくらくらしする。
そして、ドアが開く。

強い光、揺れる一本のムクの木があった。
揺れるムクの木の花と、潮の香り、近くには海がある。
あの東京からも、記憶からも遠い場所だということは分かった。
溢れては忘れていってしまった、
大事な落し物を拾いに来たのだと思い出す。

ここが何処なのか知りたくなった私は
Google MAPを開こうとした。
するとsiriが勝手に話しかけてくる。
____________________________

「こんな風に話しかけてください」とsiri
「すきって言葉 きらいだよ」と私
「僕が言う すきという言葉には重みがあります」とsiri
「言葉の重さは 秤で測れますか。測れません。言葉に重さはありません」と私
「測れます。

    ただし相手をよく知ることが重要です」とsiri.

夢はそこで終わった。

____________________________

 

2月26日 母親の誕生日

青いバラを送った。

わたしは初めて人間以外にキスをした。

 

f:id:meltmoon:20170228223741j:image